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今日は君とした、約束の日。
君がこの町を出ていった日に
さよならと言えない代わりに僕は君と、ここでまた逢おうと約束した。
君はもう、覚えてはいないだろうけど。
僕は、目の前に広がる水平線を
ひらひらと、花びらの様に舞う雪を見ながら
ただ君を待つ。
あの時言えなかった言葉を、伝える為に。
辺りは暗くなり、古い街灯が音もなく降る雪を、星屑の様にちらちら輝かせている。
最終のバスが停まり、通り過ぎる。
僕は一度、白いため息をつくと
またいつもの日常に帰っていく。
僕はあれから何度、そんなことを繰り返したんだろう。
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