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なんの曲か分からないけど、冬の歌だよ、って君が教えてくれたっけ。
あの頃、君が可愛い声で歌っているのを聞くのが、好きだった。
ふいに君は立ち止まり、空を見上げた。
僕もつられて見上げると
頬に、ひやりと冷たい感触。
気付くと、青い空からまた雪が降り出していた。
透き通るような透明の雪を、君は嬉しそうに
手の平で受け止めていた。
その小さな雪は、君の手の平に辿りつくと
ゆっくりと溶けて、なくなっていく。
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