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俺の『ヒーロー』信仰は、必然だった。
名前が、村本義忠。
『忠勇義烈』──忠義で勇気があり、正義の心が強く激しいこと。
そんな両親の命名した願い通り、俺は正義感に溢れていた。
それは、間違いない。
エスカレーター式の有名私立小学校に入学した後も、頭の堅いジジ腐った同級生の中で、俺はヒーローを尊敬し続けた。
この世には、ヒーローが必要なのだと。
そして、俺はヒーローになるべき存在なのだと。
訓練紛いなことも、沢山こなした。
山籠りもした。
嫌いな食べ物も、絶対残さなかった。
体力をつけたくて。
ヒーローに近づきたくて。
そんな俺が、ヒーローになれない?
………お前の目は節穴だ。
節穴だよ、柏倉碧。
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