第一眠

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「なあなあ慎吾! このグラビア表紙どうよ!? 今回はお前の好きな女優の特集だぜ!」 「あ? うるせーな。朝からギャーギャー騒いでんじゃねーよ」 「なんだよ!お前が喜ぶと思って持ってきてやったのに。 お前、こいつ好きじゃなかったっけ?」 「好きだよ。でも騒ぐなバカ。今はそんなテンションじゃねーの」 賑やかな教室の中、一人少年は机に伏せる。 なぜ彼はこんなにもけだるそうなのか。 そして彼に話し掛けた親友とのテンションの差が、なぜもこんなに違うのだろうか。 我々は最近ついに、それを解析することに成功した。 彼は 低血圧 である。 どうやらこの惑星の住民は、この低血圧というスキルを持った者が多く存在するらしい。 まだまだ調査不足な我々ではあるが、そのスキルがとても危険な存在であることだけは解った。 我々の計画の妨げになりうるこの低血圧。 これからさらに調査を進め、対策を練らなければならない。
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