633人が本棚に入れています
本棚に追加
それぞれが席に着くと会議が始まる。
メンバーは私、副艦長、鈴木と内藤。
矢崎はまだ姿を見せていない。
「鈴木、矢崎はどうした」
「ここへ来るように言ったんすけどねー。矢崎さんって方向音痴みたいで、また迷ってんすかね? この艦は結構広いからなー」
ちなみに矢崎は以前戦場で指揮官を勤めていたこともあり、地形を考慮し戦を有利に導くことに優れていた。
方向音痴なんて嘘だ。
「もういい。それでは始めるぞ。副艦長、頼む」
「ああ、では出力するぞ」
中央に設置された球体のモニターに光が走ると、それは地上の様子を映し出した。
一人の学生をメインに映した映像。
それは先程"慎吾"と呼ばれていた住民だ。
「諸君、これを見たまえ。これからも解るように、低血圧が発動した時の奴らの戦闘力は格段に跳ね上がる」
「うわー、醜いですね。まだ寝たりないんですかこいつは」
「足りる足りないの問題ではないのだよ。どんな超時間の睡眠であれ、目覚めた瞬間にこのスキルが発動するのだからな」
そう付け足すのは副艦長。
それだ。
まさにそれが厄介なところなのだ。
奴らに満足な睡眠を与えれば済む話であるなら、対策はいくらでもとれる。
しかし如何なる場合の寝起き時でも発動するとなれば、対策も限られてしまうのだ。
最初のコメントを投稿しよう!