第三眠

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「副艦長が今言ったとおり、こいつは厄介なスキルだ。それと前回のデータで解ったことだが、どうやらこの種の住民達でも個々に差があるらしい」 「ん? それは同じ低血圧を纏う者でも、個体別に能力の差があるということでしょうか?」 「そうだ。さすが物分かりだけはいいな内藤君」 この艦には能力的には優秀な部下が揃っている。 あとは性格的になんとかしてくれ。 「前回のデータで解ったって……。なら今回は何のデータを集めてたんですか?」 「うむ、データ自体は変わらない。同じものを今回も収集して、本当に個体別に差があるのかの確信を得たかったのだ」 「へー、そうなんですか」 「てかそれ知らないでデータ集めしてたの君? ねえ、前回の会議で話聞いてた?」 「いやー、なんか前回の会議は艦長が矢崎さんにキレてるところしか印象になくて……」 前回だけでなく毎回だけどな。 あいつはいつになったら現れるんだよ。 まさかこのままサボり倒す気じゃねーだろうな。 「うぃーす、遅れてサーセン」 噂をすれば現れたよこいつ。 てか携帯ゲームやりながらの登場かよ。 どんだけ? どんだけ俺の血圧上げたいの? 低血圧より自分の高血圧が怖いわ俺は。
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