プロローグ

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国一のワガママで傲慢(ごうまん)で理不尽な王様は、アリスに付きっきりになる王妃を、アリスから引き離そうと計画を立てていたのだ。 もちろん、王妃は娘とは離れたくないと王様に抗議(こうぎ)しました。 王様は、王妃に言いました。 『お前が、わしのそばにいて離れなければ、アリスは殺さないでやる。 だが、お前がわしから離れて、アリスとばかりいるならば、アリスをお前の目の前で殺す』 それを聞いた王妃は驚いて、王様に尋(たず)ねました。 『幼いアリスを誰が育てるのです?』 王様は言いました。 『アリスは、幼くはない。 もう3つではないか……わしが責任を持って……』 と、少し考えてから言うのをやめました。 涙でぐちゃぐちゃな王妃に睨(にら)まれた、王様は3日後の夜まで待ってやるといって部屋を出て行きました。 どうしたの? という表情で近付いて来た娘、アリスを抱き上げ王妃はいつまでも、いつまでも泣いていました。
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