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バタン、と玄関のドアが閉まる音がして俺は目を覚ました。
大きくあくびをし、目を擦る。
「寝ちゃったよ……父さん帰ってきたのか……」
ん?
「やばい! メシ!」
窓の外はもうすっかり真っ暗だ。
父さんが帰ってきたってことはもう20時近いだろう。
俺の家は父さんと二人暮らしだ。
俺も部活が始まってからは基本的には帰りが遅いので、二人の内、早く帰ってきた方がその日の夕飯を作ることになっている。
最近は日が伸びたこともあり練習を遅くまでやることが多いので、ずっと父さんに作ってもらってきた。
父さんも仕事から帰ってきたばかりでくたくたなはずなのに、文句も言わずに作ってくれていた。
それなりの料理を作るということの難しさも大変さも、自分でやるようになってから嫌というほど理解している。
それだけに、父さんには感謝していた。
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