226人が本棚に入れています
本棚に追加
―――
突然頬に風を感じ、我に返ると、俺は星空を見上げて突っ立っていた。
いきなり視界が変わったのでふらふらしている。
「早く来い……」
自然と口に出していた。
俺の中から焦りのような渇望がわき上がってくる。
ただひたすらに会いたかった。
どうしてこんなにも「何か」を求めているのか、自分でもわからなかったし、考えもしなかった。
ただ、変だとは思わなかった。
「何か」を求めるのは当たり前のことのような、そんな圧倒的な感情の陰に理性は身を潜めていた。
視界が変わる。上空。
〈早く……〉
また変わる。地上。
「早く……」
もうはっきりと見える。ここを、いや、俺を目指してまっすぐ飛来してくる光……流れ星が。
視界が変わる。まるでフラッシュ映像のようだ。
最初のコメントを投稿しよう!