襲来

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―5月11日、AM6:45― 「ん……」 目が覚めると自分の部屋だった。 当たり前なのに、なんでそんなことをいちいち確認したのか、俺は自分の無意識を一瞬訝しんだ。 妙に頭が痛いが、他に異常はない。 俺はちょっとした違和感などすぐに忘れ、起きあがると朝の準備を始めた。 父さんはまだ寝ている。 電子レンジを駆使して父さんの分と自分の分の弁当を作った。 冷凍食品は偉大だ。 トーストを呑み込み、鞄を持って玄関の鍵を開け……開いていた。 「ん? おかしいな。父さん昨日閉め忘れたのかな……」 深くは考えず家を出た。 うん、鍵を閉め忘れていたこと以外は異常無し。 また今日も平凡な一日になるだろう。 俺はいつものように無気力でだるそうな表情を心掛け、学校に向けて歩き出した。
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