襲来

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―同日 PM15:59― 「はあ……」 昨日の帰りに語に冷めてるとか言われたせいで今日はなんか調子が乗らなかった。 黒板に整然と数式を書く若い先生。 色遣いにこだわりがあるらしく、確かになんらかの法則によって文字の色が変わっていることから、見やすくはあった。 「はあ……」 多彩なチョークを使い分ける先生には申し訳ないが、正直こんな授業どうでもいい。 後十五分で放課後だ。それまでの辛抱……。 俺は腕を枕に居眠りの体勢に入った。 ──思うに、日常ってやつはいつもそこにあるようで、明日もそこにあるようで、実はすごく危ういバランスの上にあるのだ。 だから壊れるとき、崩れるときは一瞬。 一瞬でこれまで生きてきた世界なんて変わっちまうんだ。 そして俺の場合、それはドン、という衝撃と共にやってきた。 突然のことだった。 廊下で爆発音がして、床と窓ガラスが震えた。 すぐ教室中から上がる声。 「なんだ……?」「地震……?」 みんな不安げな顔でざわつき、先生が確認に行こうとした次の瞬間 「キャー!!」「うわー!!」 教室は恐怖の悲鳴に包まれた。
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