襲来

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蜂野郎の合図で黒いミイラ達が俺に襲いかかってきた。 「うわあぁぁーー!!」 一体目の頭めがけて鉄棒を振り下ろす。 ぐしゃっという嫌な感触とともに鉄棒がミイラの頭にめり込み、そいつは倒れた。 こいつら、見た目は化け物だけど、不死身ってわけじゃないみたいだ。 俺は自分のやったことに吐きそうになりながら、棒を握りしめた。 足下の奴は確かに死んでいる。 「はっ、はっ……いける……かもしれない」 浮かび上がったわずかな希望が、敵を殺した野蛮な衝動が、地獄のただなかにいるような俺を奮い立たせた。 「よ、よっしゃあ! やってやる……かっ……」 振り向いた俺の腹を鋭く、太い針が貫いていた。
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