その執事、鬼畜。

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「…あの、すみません」 『ゴホッ…き、君誰?東條の弟…?』 「あー…、そんなところです」 弟…じゃないけど、まぁ…いっか。 この際と東條との関係を曖昧にしておき、俺は電話相手との会話を続ける。 『ちょっと弟くんからもお兄さんに頼んでみてくれないかな!バイト代わってくれるように!俺、高宮翼って言うんだけど…ケホッ、風邪引いちゃってさ…』 馴れ馴れしい口調と少し掠れた声で話し掛けてくる東條の同級生という高宮翼さん。 「…あの、そのバイトって何のバイトなんですか?」 そもそもの根本を知らない俺は高宮さんに尋ねてみる。 『んー…執事喫茶なんだけどね、今週眼鏡weekで集客率も高いんだ。だから休むことなんて出来ないんだけど…こんな状態じゃ…ケホッ、接客もできないし…』 「あー…」 高宮さんが東條に電話をかけてきた理由も、東條があんなに嫌がってた理由も察しがついた。東條ならはまり役のような気がする。 「代役にはもってこいだよなぁ…」 『だろ!?弟くんもそう思うだろ!!いやー話の分かる子で嬉しいわぁー』 「説得してみますよ…上手く行くかは分かんないけど。…はい、じゃあ」
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