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その後 何かと世話をやく げんちゃんにげんなりしながら家に帰ってきた。 俺は母親と二人暮らし。父親は俺が2歳の時に事故で亡くなったらしい。 まだ幼かった俺は父親の顔を写真を見ることでしか思い出せない。 母さんは 小柄で息子の俺が言うのもなんだが とても綺麗な人 そしてこれまた顔に似合わず パワフル。 俺が虐められて身体に傷をつけて帰ろうもんなら アタシの息子を傷物にしたのは どこの命知らずだ!!と木刀を持って家を出て行こうとする母 アケミを げんちゃんと必死で押さえるのに苦労した小中学時代・・・。 思い出す度 恐ろしくて目に涙が浮かぶ 人の子は 恐ろしく怒鳴り散らかすくせに俺は母アケミに怒られたことがない げんちゃんは いつも怒られているが… なぜ げんちゃんが怒られるかというと アタシの可愛い泉を守れなかったという事らしい… 激しく間違っている でもそこはマイペースなげんちゃん へらっと笑ってスルー。 そして真顔に戻った げんちゃんが次に起こす行動は母アケミの代わりに木刀を持って仕返しに行く。 それを泣いてすがって やめてくれと懇願する俺。 なんて恐ろしい…。 げんちゃんは165センチと小さく 女の子のような可愛らしい童顔の持ち主だが これに騙される バカな男共 見くびってもらっちゃー困る!! げんちゃんは ものすごーくケンカが強い。 それに比べて俺といったら175センチと背は まあ普通 でもいくら食べても太らない俺は ガリ男君。 俺も強くなりたいから空手習わせてくれと言ったら 誰が好き好んで殴られに行く お馬鹿がいるの?と笑顔で拒否された。 いいんだ……別に……悲しくなんてないさ……。
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