転校生、西園寺有紀

6/11
前へ
/49ページ
次へ
「へー屋上って誰もいないんだ。」 「誰も来ねぇだろ。 だってうちの学校食堂だってあるし。 わざわざ屋上来るのは俺ぐらいだな(笑)」 「えっ誰かと一緒じゃないの!?」 「なんで?」 「なんでって…勇はいつも一人でお昼食べてたの?」 「そうですけど。何か?」 「寂しくないよ。」 「どうして?」 「一人が好きだから?かな。」 「……」 「ん?どうした有紀?」 (なんで下向いてんだ?) 「おかしいよ!!!」 「へ?」 「孤独が好きなんておかしいって言ったの!」 「いや別におかしくないだろ。 みんながみんな仲良く出来るわけじゃない。 それに出来ても、一人になりたい時ってあるじゃん。 ただ俺の場合、そんな時間が人一倍長いだけさ だから俺はおかしくない。」 「でも…」 (引き下がれよここでよ!! お昼食べる時間が短くなるじゃねぇか!!) 「まっ人にはそれぞれ価値観が違うからな。 それよりお腹空いた。 はやくお昼食べようぜ。」 (完璧な話題すり替え術だな(笑) これでお昼にありつけるぜ!!) 「私今日弁当持ってきてないの。」 「へ?」 「だから食べ物を今持ってないの。」 「えーっと…有紀は屋上に何をしに来たのかな?」 「お昼食べに来たの!」 「…」 (なにあの笑み。 キレても良いかな(笑) いやここは大人的な対処の仕方で…) 「お弁当二人で分け合おうよ。」 「………………は?」 (なんかいきなりこちらが不利な条件付き出してきたんだけど? 喧嘩売ってんのかな?) 「ねぇ聞いてる?」 (…………………だぁぁぁぁぁ!!!!!!) 「ちゃんと聞いてるわ!! てかなんでお昼ご飯がないのについてきたぁぁぁ!!! はじめからおこぼれ目当てか?あぁ? 俺はそんなに優しくないぞ。 どちらかといえば、いや、極端に冷たい奴だぞ。 少なくともお弁当を分けて食べるなどということは ぜっっっったいにしないぞ!!!!!」 (あーすっきりした(笑))
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加