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何せガルンは廃都となったとは言え、吸血鬼の都を占拠してしまったのだ。
恨まれる道理はある。
しかし、それに関わるものならば、都の位置は知っている筈だ。
わざわざ聞きに来た段階で、別勢力であろう。
「……外界に行けば、こう言う馬鹿が湧くのか」
つまらなそうに項垂れる。
面倒臭いと全身のオーラが告げていた。
「話す事は無い。死にたくなければ去れ」
取り付く島も無い言葉だが、マント姿達は気にした様子は無い。
「………我■には意地でも聖骸を手に入れなければなら■い理由がある」
「後退はない……」
「どのみち引い■ら我らは消え去るのみ」
「力付くで、言うことを聞かせる……」
四人はマントから何かを引き抜いた。
真っ黒い武器。
シミター、ハルバート、ボーラに巨大なハンマーと多種多様だ。
ただ、異常に黒々した外観が気に掛かる。
四人は四方に分散すると、各々の武器を構えた。
ボーラを回し出す音が夜空に響く。
それを見てガルンの目付きが変わる。
「そんな……ちんけな殺意を俺に向けるな……」
四人のマント姿の身体が、弛緩するように固まる。
数歩後方によろめく者も出てきたが、全員が再び攻撃体勢を整えた。
「……恐ろしい奴。戦わ■に相手を倒すと言う噂は、ただ■質の悪いジョークと思っていたが……元のままだったら、倒さ■ていたかも知れん」
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