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勇者「勇者の条件、分かる?
1、寿命以外では死なない
2、卓越した身体能力
3、魔法を使える」
勇者「勇者であることを示してみろ~、とか言われたらお前、魔法使えないからアウトじゃん?」
勇者「で、死んだら棺桶一直線だからこれでもアウトじゃん?」
戦士「なるほど……だが、何故? 俺は勇者を偽って──」
勇者「あーあー、いいのいいの。これで俺も心置きなく、旅が出来るし」
勇者「そもそも俺、やりたくて勇者やってたわけじゃないからな。むしろ自由になれて嬉しいわ」
戦士「そうか……たまには、顔を見せてくれよ」
勇者「どうかなー。ま、いつかそのうちな」
勇者「じゃ、達者で」
戦士「お、おい! もう行くのか?」
勇者「んにゃあ。思い立ったが吉日! 即行動するべし大吉」
勇者「あでゅー」スタスタ
勇者「……さーて、ワタクシ勇者さんは許しませんよ。恨むなら戦士を恨んでねー国民の皆さまー」
勇者「置き土産に死なない程度の病気振り撒いていこうねー。風に乗れー」パラパラリ
勇者「バブルスライムとサソリアーマーの毒を濃縮して粉末にした特製だぞー。キアリー程度では治らないぞー」パラララ
勇者「よし、後顧の憂い無し? さらばファッキングダム。俺は発つぜよ」
勇者「どこへ向かおうかなっ。最初はやっぱり、あの農村かなっ」ウキウキ ワクワク
勇者「夜に出発するんじゃなかった。暗くて村が分からんのぅ」
勇者「れっつ野宿」
勇者「んー…ファイア」ボッ ジュウジュウ
勇者「超霜降り肉ウマー」ガツガツ
ガサッ ガサッ
勇者「……無粋だなぁ、もう。ジオダイン」カッ!
?「ぴぎっ!!」
勇者「うまうま」
勇者「ん~っ! よく寝たぁ!」
勇者「……あれ? 君は誰? 生きてる?」ツンツン
焦げ人「…生きてます」
勇者「あそ。この辺はまだ魔物が出るから気を付けて行き倒れてね? それじゃ」
焦げ人「ちょっと待ったー! こうなったのは貴方のせいですよ!?」
勇者「えっ、なにそれこわい。俺はそんな非道なことはしてませんよ?」
焦げ人「…昨晩、私に何か唱えたじゃないですか」
勇者「ごめんなさい。私がやりました」
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