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勇者「さて、俺は用事があるから席を外させてもらうよ」
村長「律儀じゃなぁ…あぁ、行ってらっしゃい」
パタンッ
旅人「勇者さん、どこに行ったんですか?」
村長「墓場じゃ。気になるなら、追いかけてみるといい」
旅人「それじゃ私も、行ってきます」
旅人「勇者さんっ」
勇者「なんぞ。待ってても良かったのに」
旅人「だって、旅は道連れ~とか言うじゃないですか? だから一緒にと」
勇者「さよけ」
旅人「誰のお墓なんですか?」
勇者「俺が、初めて出した犠牲者の墓。というか、見殺しにしたんだよね、実は」
旅人「…それでも勇者ですか」
勇者「あぁ勇者だよ? 神殿とか申告じゃない、天然物だよ?」
勇者「勘違いしてるようだけどな? 『勇者』って言っても絶対救世主みたいなもんじゃないぞ?」
勇者「勇者だって人の子。出来ること出来ないことがあるし、挑んで駄目な時がある」
勇者「この墓の下に眠ってる人は、そんな弱い俺のせいで犠牲になった尊い村民なんdぶべるぼぁ!!」
旅人「ほあぁ!?」
?「勝手に人を殺さないでくれる!? いやまぁ一回死んだけどね」
勇者「痛いぞバカ者」
旅人「あれ? え、えぇっと?」
村人「あぁどうも。僕はこの村の住民で、この墓に眠る予定の人です」
旅人「え? さっき勇者さん…死んだって…え?」
勇者「うん、死んだよこいつ。魔物に切り裂かれてね」
勇者「でも、綺麗に切られてたから教会に持ってって蘇生出来たんだよね」
村人「まさに天にも昇る気持ち…ってやかましいわ」
勇者「よし、墓の用事も済んだし! 宿取って寝るか」
旅人「もうですか?」
勇者「言っちゃ悪いけど、この村本っ当に何も無いからね……用事が済んだら寝るだけさ」
勇者「明日の出発は早いからね? 寝坊しないように。じゃ」スタスタ
旅人「え? あ、はい。分かりました…」
旅人「……本当に寝るんかい、オイ」
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