勇者「魔王倒したけど…」

10/20
前へ
/73ページ
次へ
  旅人「何の用なんだろ。ちょっと気になる…」    ガチャ バタンッ   旅人「あ、戻ってきた」   旅人「勇者さーん、何してたんですか? ナニしてたんですか?」   勇者「…っさい。寝ろ。また焦げたいか?」   旅人「そ、そんな怒んなくても……ほんのお茶目ですよー…」スススッ         勇者「朝ですよ! 起きろーい!」ババッ   旅人「むー! ふーとーんー!」ガッシリ   勇者「えぇい、離せぇい! ……あ」   旅人「へっ? …あ」   勇者「いやー申し訳ない。まさか下着姿とは」   旅人「きゃあぁぁぁぁ!!」         勇者「だから、ごめんと言ってるのに。旅人がさっさと起きればこんなことも起こらんかったんぞ」   旅人「それでも! 見たことには変わりありません!」   勇者「(いえす、理不尽)じゃあ、今度は俺に何を求めるわけ? ん?」   旅人「…昨日、水王と話してたことを言える範囲で教えて下さい」   勇者「えー…めどい」   旅人「ゔー…」ジッ   勇者「気が進まないなぁ…」         勇者「本当に何でもなかったんよ。魔王は本当の意味では滅んでないって話とか、初の国の人間は追い払えとか」   旅人「本当に、それだけですか?」   勇者「食い下がるなぁ……どうしたん?」   旅人「……さぁ? なんでですかね?」   勇者「そぉい!」スパンッ!   旅人「へぶしっ!」         勇者「本当にそれ以外のことは何もないっての」   旅人「じゃあ、なんで昨日はあんなに遅かったんですか」   勇者「お前…あの水王から逃げんの大変だったんだぞ。アバカム使いまくりだぞ」   勇者「アレな王だがな、相当強いんだぞ…」   旅人「勇者さんがそこまで言うほどの方だったんですか…」   勇者「ホント、勘弁してよ……早く出発するぞ。見つかる前に」          …………   水王「なに? 魔王を仲間にした?」   勇者「ん。多分あの旅人は器で、中身は魔王か、その側近あたりだ」   勇者「出会った時にジオダイン撃ったのに焦げるだけだったからね」   水王「ふぅん。で、どうすんの? 捕まえる?」   勇者「いや、このまま泳がす。今のところ害は無いしな」   水王「あらそう? ま、せいぜい気を付けなさい」   勇者「おーう」    …………   旅人「次のお城はどんなですかねー」ワクワク   勇者「…本当に魔王なんだろうか」  
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加