勇者「魔王倒したけど…」

11/20
前へ
/73ページ
次へ
  旅人「勇者さん勇者さん、次の目的地はどこですか?」   勇者「んー? そうだな……どこ行くよ?」   旅人「もう粗方の国は行きましたねぇ」   旅人「……戦の国は、命の危機でした」   勇者「俺は一応、まだ勇者の恩恵あるから死んでも大丈夫だったけどな」   旅人「食の国は……幸せでしたねぇ」ノホホン   勇者「…スッゴい食べてたよな」         勇者「とりあえず、最後の目的地目指してまったり行くか」   旅人「最後の目的地?」   勇者「へいファック。魔王城行くんだろがい。なに? 痴呆?」   旅人「へいファック。うら若き乙女に向かって痴呆とはなんぞや? おぉん?」   勇者「…いい感じに言うようになったじゃん」   旅人「伊達に何ヶ月以上も一緒にいませんよ」ドヤッ         旅人「ここは?」   勇者「さぁ? 俺も知らん。まさかこんな所に村があるとは」   旅人「何があるんでしょうね、この村」   勇者「何も無いと思うなぁ。住居も風景も平々凡々としてるし、悪く言えば退屈な村。俺のお気に入りのあの村には及ばない」   旅人「…今、通りすがりの村人さん泣いてましたよ」   勇者「生憎と、慎む口は持ち合わせてないんでね」         老人「…旅の方かね?」   勇者「いんや、元勇者とその道連れ。勇者は今やニートなう」   老人「勇者…? はて?」   旅人「どうかしましたか?」   老人「勇者というのは、この世に一人だけなのでは?」   勇者「馬鹿言うな。じゃあもしもそのたった一人の勇者が万が一死んだら、誰が魔王を倒すんだっての。    足りない頭フル回転させて考えりゃ分かるだろ」   旅人(量産型勇者……)         老人「では、失礼ですが旅の方、貴方が勇者であると言うのならば、『勇者の証』を持っているはず……見せてもらえますかな?」   勇者「勇者の証(笑)。あるわけないじゃんそんなん。初めて聞いたわ」   勇者「勇者が勇者である証拠は(ry なんだよ。分かった?」   老人「…ふむ。貴方が嘘を吐いているようには見えない。    こちらに、付いてきてもらえますかな? 会わせたい方がいます」   旅人「誰ですか?」   老人「このような辺鄙な村を守ってくださっている、私たちの勇者様です…」   勇者「ほぉー?」  
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加