手軽にSSのようです

勇者「魔王倒したけど…」

　
勇者「別に勇者を名乗るのは構わんよ。ちゃんと『勇者』をしてくれるなら」

勇者様「お、俺は本当に勇者だ！　偽者なんかじゃねぇ！」

勇者「じゃあ『勇者』って何だ？　正解を言えたら見逃してやるよ」

勇者様「…魔王を倒すため、正義を貫k 勇者「はいハズレ。正義なんて言った時点で終了」

勇者「不正解だった偽者には残念賞が出まーす」

勇者「『死んでくれる？』」ｶｯ!

旅人「…あの村、放っておいていいんですか？」

勇者「いーのいーの。あの偽者が戻ってこなくても自分達で何かしら結論を出すさ」

旅人「そんなものですか？」

勇者「そんなもんさ。人間だもん」

旅人「…さっきの、答えってあるんですか？」

勇者「あー……少なくとも、自分を正義だとか言った時点で不正解。でも明確な答えは無し」

勇者「そうだなー……しいて言うなら」

勇者「世界から認められたうえで、人間や魔物の殺傷、強奪を合法的に行える悪党……かな」

勇者「あっちこっちで勇者が輩出されたけど、そのうちの何人が自分を悪党だと自覚出来てただろうね」

勇者「正義なんてのは、誰かが悪を正当化しようとして作られた言葉だよ。正義なら魔物を殺していいのか、箪笥を漁ったり壺を壊していいのか」

勇者「違うよね。少なくとも、正義が行っていいものじゃない」

旅人「でも、貴方だって魔王を倒すために魔物を倒したでしょう？」

勇者「当たり前。だってレベル足りなかったし？　それに、自分を正義だとも思わなかったし」

勇者「はあぁぁぁ……久々にまともな話をしたら疲れた。ていうか話すのめんどい。どうしてくれんの」

旅人「えっ！？　私のせいですか！？」

勇者「やれやれ…一旦ルーラで戻るか。歩くのも面倒だし」

旅人「あ、あ、ちょっと！　置いてかないで！」

勇者「…ん？　何か気配」

旅人「ほぇ？　あー…後ろから騎馬隊のようなのが」

勇者「よし。狩りの国で買ったシビレ罠を設置だ」ｽｯ ｽｯ

旅人「じゃ、私は落とし穴を」ｻｯ ｻｯ

騎馬隊「おーい！　そこの二人組ー！　話を……おぉぉぉぉ！？」ｽﾞｻﾞｻﾞｻﾞ

騎馬隊「なんだ！？　落とし穴kあがががが！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

勇者・旅人「「いえーい！」」ﾊｲﾀｯﾁ