エルフ「たすけて…誰か…」

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  「もう大丈夫?」   エルフ「ん、わりと…」   「話せる範囲でいいから、何があったのか、ゆっくり話してみて?」   エルフ「そ、その前にっ」トコトコ ポスン   エルフ「頭、後ろから撫でていてくれ。あと、ぎゅって…」   エルフ「特別に、触らせてやる…」   「光栄至極で…」ナデナデ         エルフ「…突然、里が襲われたんだ。いきなりで、みんな混乱した」   エルフ「男の人も、女の人も関係無しに、檻に入れられた…」   (多分…盗賊とか山賊だろうな)ナデナデ   エルフ「たまたま、私と一緒のに入れられてた人が強い魔力を持ってて、それで、檻を壊して逃げたの…」   「他のエルフは、無事に逃げたの?」   エルフ「分かんない……でも、私たちにとって森は庭みたいなものだから、きっと…うん」   「そっか。でも、大丈夫だと思うよ。君が逃げ切れたんだからさ」   エルフ「ん…私もそう思う…」         エルフ「温かいな、人間。まるでお父さんみたいだ」   「そう? まだ結婚してないんだけどなー」   エルフ「…お父さん、お母さん……大丈夫かな…」   「…やっぱり寂しいかい?」   エルフ「うん…」   「今日は一緒に寝てあげようか?」   エルフ「調子に乗るな、人間っ」ポスッ ポスッ   「あはは、ごめんごめん」ナデナデ         (さてと……多分あのエルフっ娘が逃げてきたのはここら辺から、かな?)カリカリ   (ここだったら馬を使えばー……1日もあれば着くかな?)    カチャン キイィー…   (しかし、エルフかぁ……初めて見たなぁ。人間と見た目ほとんど変わらないんだ)   (ていうか、人間と同じ治療で大丈夫なのかな。間違ってたらどうしよ……ん?)クイッ クイッ   エルフ「……」   「どうかした?」   エルフ「…眠れない、から…あの……な…」モジモジ   「…あぁ、ちょうど寝ようと思ってたんだよ。一緒に寝るかい?」   エルフ「!! し、仕方ない…そこまで、お前が言うなら、寝てやらんことも…」         エルフ「……」ウトウト   「寝ていいよ?」ナデナデ   エルフ「んー…手ぇ…ぎゅーって……」   「はいはい。やっぱり、甘えん坊さんだねぇ」ギュー   エルフ「えへへー…zzZ」スヤスヤ   「……安心してお休み。必ず、帰してあげるからね」  
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