エルフ「たすけて…誰か…」

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  「ご飯だよー」   エルフ「ん」トトトッ   エルフ「人間の作るご飯は、いつも美味しそうだ」   「ふふ、ありがとう」ニコッ   「食べ終わったら、今日もよろしくお願いします」ペコリ   エルフ「うむ、よかろう」         エルフ「──だから、この薬草は単品として使うより、他と混ぜ合わせた方が効果が高い」   「そっか、凄いなこの青い薬草」   エルフ「この緑色のと合わせると滋養強壮。赤いのは外傷とかの治りが早くなるの」   「知ってるつもりだったけど、まだまだ知らないことが多かったよ。今日もありがとね」   エルフ「世話になってるし、そのお礼だ」         「さて、本を片、付…け、て……」ガクンッ   エルフ「人間!?」   「ご、めん…そこ、の……薬を…」   エルフ「これか? これをどうするんだ!?」   「患部、に…塗って……その、前に…布団…」ヨロ ヨロ   エルフ「無理しない! こっち!」グイグイ         「包帯…新しい、のに……換え…」   エルフ「じっとして!」シュルル   エルフ「なにこの手の傷……あっ」   「…気に、しないで……ね?」   エルフ「喋らないで寝てる!」   エルフ(私のせいだ……私が責任持って治さないと!)         「……う、んん…」   「…身体が軽い。それに、熱も引いてる」   エルフ「んー……ふあ?」パチッ   エルフ「人間っ! 起きたか!」ギュー   「おぉっと。ははっ、おはよう。  君のおかげで、すっかり良くなった」ナデナデ   エルフ「当たり前だ! 薬のことなら詳しいんだぞ!」         「さて、早速だけど、ご飯にしようか?」スック   エルフ「うんっ」   「これは、看病してくれたお礼」ヒョイ   エルフ「うわっ、うわぁ! きき急に持ち上げるな!」   「その痛む足で頑張ってくれたんだ。これくらいは、してもいいでしょ?」   エルフ「ま、まぁ…うん。悪い気はしない、かな」   「ふふ、参りますよ、お姫様?」   エルフ「んな!? や、やっぱり降ろしてー!」カアァー  
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