エルフ「たすけて…誰か…」

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  エルフ「ん…」   エルフ「ふあ……あれ、人間?」   「お、早起きだね。偉い偉い」   エルフ「んー」クシクシ   「顔、洗おうか。そしたら朝ご飯にしよう」         エルフ「そういえば人間、名前は?」   「んー? んー…男って呼んでおいてくれるかな」   エルフ「分かった。じゃあ私のことはエルフと呼んでくれ」   「どうしたの急に名前なんて」   エルフ「相手を呼ぶのに、名前を知ってた方が良いだろう?」   「…そりゃそうだね。よろしく」   エルフ「うんっ、よろしく!」ニコニコ         「包帯変えるよー。足、見せて」   エルフ「はい」スッ   「…ほとんど治ってるね。凄い再生力だ」   エルフ「自然から少し力を与えてもらってるからな。人間より早く治るんだ」フフン   「これならもう普通に動けるね……明日は、お出掛けかな」   エルフ「本当っ!?」パアァ   「っ……うん、本当だよ。だから今日は早めに寝ようね」   エルフ「うん!」   (…言えないよね、お別れなんて)         「よしよし、いいこいいこ」    ヒヒン ブルルル   エルフ「馬に乗ってくの?」   「街へ連れてってあげたいけど、正体がばれると危ないからね。  だから、森に行こうと思う」   エルフ「あ、じゃあ案内は任せて! エルフはどの種族よりも森に詳しいんだから!」   「ははは、じゃあお願いするよ」   エルフ「まっかせて!」ニコニコ         ──来たぞ 人間が来た   ──仲間も一緒だ 捕まってる   ──助けだせ 助けだせ   ──人間が離れたら 狙え         エルフ「この湖、私のお気に入り!」パシャパシャ   「おぉ、凄い。こんな場所があったのか」   エルフ「まぁね!」   「涼しくて、気持ちがいいね。一休みしようか」   エルフ「私、木の実採ってくる!」   「気を付けるんだよー」ヒラヒラ         「……それで、何か用でも?」   ?「気付いていたのか。まぁいい」   「エルフの、お仲間ですか?」   エルフ男「あぁそうだ。彼女を返してもらう」   「はい、よろしくお願いします」   エルフ男「嫌だと言えば……何だと?」   「あの子には内緒にしていますが、今日の遠出の目的は、あの子を帰してあげることですから」   エルフ男「…おかしな人間だな、お前は」   「いえいえ、私は普通の人間ですよ」  
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