Prologue

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 蒼の天体は幾つかの神々によって瞬く間に世界が〝創造〟されていき、何時しか様々な種族が共存する次元として存在していました。  開拓された地域は殆ど無く、乾きを潤す清水は大地に溢れんばかりに流れ、太陽の強い光は花々や大樹を輝かせました。  まさに楽園と呼ぶに相応しいその地には人や獣は勿論、絶滅したとされる人魚や古よりの覇者である竜、剰え神すらも暮らす世界となったのです。  この世界で生誕した者達は、属性と呼ばれる力を備えていました。  生命の源であり、純粋の象徴とされる白――〝光〟  死の源であり、孤独の象徴とされる黒――〝闇〟  万物の深い傷を修復する、癒しの象徴とされる蒼――〝水〟  瞬く間にありとあらゆるものを滅する、破壊の象徴とされる紅――〝火〟  中立を保ち沈黙を貫き通す、不動の象徴とされる黄――〝大地〟  くるくると表情を変え場を掻き乱す、自由の象徴とされる緑――〝自然〟  そして特異な種族は星の数ほどありましたが、同じ属性同士だと種族の壁を越え、仲良く暮らしていたそうです。  神様によって創られた神様が、創造主である女神様に反旗を翻すまでは――――……
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