初恋と呼べない初恋。

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あれが恋だったのかは未だにわからない。 多分恋とは呼べなかっただろう。 でも幼い私はその心臓の高鳴りを「恋」だと思った。 その相手はR君。 男子友達の一人だった。 明るい性格で、面白くて、サルにそっくりな人だった。 サルなのにかっこよかった。 R君は1週間に1回くらいのペースで我が家に来て、一緒にゲームをした。 一人っ子の私はそれが嬉しくて、外が暗くなるまでが早かった。 昔から母は家事で忙しく、あまり遊べない。 父は仕事。 遊び相手がいない。 一人のゲーム、一人のままごと。 つまらなかった。
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