序章

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少年の放った魔法は土の塊にぶつかると下級魔法にしてはそこそこの威力で爆発した。土煙がはれると体の所々がえぐれている土煙の塊が見えた。 予想外にダメージを与えられた事に少年は驚いたが、逃げ出す好機に変わりはない。少年はソレに背を向けて走り出す。 が、目の前の土が動いたと思うと、少年に向かってくる。不意を突かれた少年は避ける事も出来ずに鳩尾にまともにくらい、地面に転がる。 「が、はっ」 息も上手く出来ない状態のままの少年は見て、そして知った。土の塊はダメージなんてほとんど無かった事を。えぐれていた箇所は元に戻り、何もなかったかのように佇む。 ガアアアァァァァア そして中途半端に攻撃されて怒っているのか雄叫びを上げると一気に転がっている少年に近づき腕を振り上げる。 クソッ、少年は諦めたようにそう呟くと静かに目を閉じた。 ?? しかし攻撃はこない。不思議に思った少年が目を開けると、全力で振り切ったであろう土の塊の拳を片手で軽々と受け止める 人の形をした天使がいた。
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