こよみゴッデス──002

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戦場ヶ原ひたぎ。 現在、羽川による人格矯正プログラムを受けていて、途中ではあるものの、以前とは比べるべくもないほど、キャラ崩壊と言ってもいいほどの変貌を遂げつつある僕の彼女。 ……やばい、ホームシックになりかかった。 「え? 彼女とかいんの? あなたみたいなのに?」 「当然のようにバカにすんな! いるよ!」 「妄想?」 「リアルだ!」 「へー、そー」 「興味なしかよ!」 「うんっ!」 「ぶっ飛ばしてえ!」 満面の笑顔で頷くな! 無駄にいい返事をするな! 「言っとくけれど、僕はお前が思っている以上にリア充ってやつだぜ?」 「りあじゅう……? あの黄色い電気ネズミのこと?」 「それはピカチュウだ! なんで知ってんだよ!」 「私が小さかったとき飼ってたのよ」 「一番あり得ない嘘だ!」 「うるさいわね。折り畳むわよ」 「なんか痛そうだ!」 まあ、実際、こんなところで馬鹿している場合じゃないのだけれど、本能的にやってしまうのだ。 「リア充っつーのは、リアルが充実してるってことだよ」 「え、でも、幻想郷にいる時点でリアルとか……」 「揚げ足とんなよ。いいんだよ。あってんだよこれで」 「あ、そう……」 なんだか腑に落ちないような表情での返事だったが、相手にしない。 この話をそこまで広げるつもりはない。 「……で、どうすればいいって言うんだよ。忍とのパスも最近曖昧になってるみたいだし、このままじゃ本当に消えちまうんだよ」 レミリアは首をかしげた。 「忍ってのは、あなたに服従する吸血鬼だったわね……。あなた、まだ、そいつを迎えにいこうとしてるの?」 「当たり前だ。もとより僕はそのつもりで博麗神社を目指してるんだからな」 「会えたら、そのあとどうするつもりよ? 別に、吸血鬼が幻想郷を抜け出す力を持ってるわけじゃないのに」 「損得勘定が間に入るような関係じゃねえんだよ。それに、僕には忍が必要だ。どんなときでも、どんな形でも、僕は本来、あいつの傍にいなくちゃいけない。どれだけ恨まれてたって、僕はあいつに尽くす義務がある。だから、忍になら、殺されたってかまわない」 「…………」 レミリアは、未だ理解出来ないような顔だったが、からかうような返事はしなかった。 「まあ、あなたがそう思うなら、勝手にすればいい。私の協力の範疇にその忍とかいう吸血鬼はないんだから、その点に関するあなたの考えについては、意見しないわ」
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