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「始めるぞ。」
瞬間、ヴァンさんがフッと視界から消えた。
「今ので一回は確実に人生終えてるぞ。」
真後ろから声!と思い振り返ろうとしたら背中に強い衝撃を受けた。
宙に浮き、転がりながら2mくらい吹っ飛んだ。
うつ伏せのために口の中が土の味でいっぱいになった。
既に全身がビリビリ痛いのだが、四肢に力を込めて立ち上がる。
「チートでも流石にキツいものはあるよな…」
俺は吐き捨てるように呟いた。
てか、俺って転生した訳でもないから、実質チートって訳でもなくね?とか思いながら構えると、ヴァンさんはどうやら待っていてくれたようだ。見定めるような目つきで俺を眺めてきた。
「次は武器使うからな…来い、エンディス。」
魔武器であろう名前を呼ぶと、ヴァンさんの右手が灰色に光る。
光が収まるとヴァンさんの手には大剣があった、エクスとは違う本物の刃の無骨な灰色の大剣であった。
「……あ、ハリュー。」
…すっかり忘れていた。
右手首にあるブレスレットが金色に輝き、発光体になる。
発光体は形を変えて、俺のイメージしたローブになった。
「何だ?魔武器か?どんな能力なんだ?」
「魔武器だとしても教えるわけがないじゃないですか。」
「確かにな。」
ハリューの呼び出しには成功した…果たして魔法は使えるか、不安だ。
しかも、困ったことに魔法を知らない。
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