三国志・絆

魏の危機

魏軍惨敗の知らせは益州・成都にいる劉備らのもとへ、既に届いていた。

「曹操の奴、日頃の悪政が祟ったんだぜ!」

鼓膜が破れそうなくらいの大きな声で唾を撒き散らしながら何か誇らしげに張飛が言った。

その横で、人差し指で両耳を塞いでいた趙雲が口を開く。

「あの曹操の軍勢をいったい呉のいずれの将軍が打ち破ったのでしょう？」

劉備の横から諸葛亮がゆっくりと口を開く……