秩序

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風の姿に風は鳴り 風の姿に米が舞う しかし、風の声は老人の抗いであった 老人の読経はよく染み渡り 至極独断的なものとなる ただただ樹木に言い聞かせ 畢竟風の音に終わる まったく、風の勢いは増すばかり 雄と雌とが隣り合い 普遍的な笑みをつくる 林のなかで戯れまわり あらゆる動作は風に消える 風の間に、 猫が来た 使う武器は瞳のみ 手足も出さず見つめ合う 都会の公園の一角で 米粒とともに旅にでる 風の姿に風は鳴り 風の姿に猫が舞う
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