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「諸君!入学、おめでとう!!」
壇上では、珍しく若手(と言っても40代後半?)の校長先生が、熱く祝いの言葉を述べていた。
新入学生たちは、真新しい制服に身を包み、少しだけ緊張した様子で、壇上を見つめている。
桐谷陽介(キリタニヨウスケ)も、そのうちの一人だった。
進学校ではあったが、その自由な校風に引かれ、必死な受験勉強の末、見事に合格。
そして夢にまで見た、今日の入学式を迎えたわけだ。
周りの生徒たちも同じように、胸をときめかせてこの場にいるに違いない。
今から始まる新しい学校生活に、陽介は目を輝かせ、胸を踊らせていた。
この後、災難が待ち構えているとは思いもよらず…。
バァ――――ン!!!!
突然大きな音がして、体育館の後ろのドアが開く。
驚いて全員が注目する先にいたのは、20代前後とみられる女性だった。
「ま…真子姉……。」
そう、陽介のすぐ上の姉、桐谷真子だっだ。
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