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そんな陽介たちに、二人組みの女生徒が、声をかけてきた。
「あの…すみません、一緒に写真撮ってもらっていいですか?」
どうやら派手な真子の姿に、興味津々なようだ。口々に『可愛い』だの『かっこいい』だの、はしゃいだ様子だった。
もちろん、真子は得意げな顔になる。
「アタシ?いいよ!」
「きゃあ!やったー!」
早速真子に群がる女子。有無を言わさず、陽介はカメラを持たされ、シャッターを押す羽目になった。
やがて遠巻きにみていた他の女生徒たちも、我も我もと集まり出す。
まるでアイドル出現とばかりに、あっと言う間に人だかりができた。
…ちょっと勘弁してよ…入学早々、こんな事で注目浴びたくないよ…!!
どさくさ紛れに、陽介はそそくさとその場を逃げ出した。
「ふう…」
校舎の陰に身を寄せ、一息つく陽介。
校門に目をやると、在校生も集まってきて、更に人だかりは大きくなっている。
「…たく、冗談じゃねぇよ…」
思わず声を出し呟くと、その声を聞いてか、近くで『ふふっ』と笑う声がした。
驚いて振り向くと、一人の女生徒が立っているのに気付く。
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