出逢いは運命?

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 白金高の前で、あたしたちは早くも試練を迎えた。 「学生証は?」  門の前で警備員が言った。 「忘れてきちゃったみたいです」  真奈は笑顔で言ったが、警備員はあたしたちを通してはくれなかった。 「最近制服だけ手に入れてここに入り込もうとする子が多くてね。悪いけど学生証持って来て」  さすが御曹子が多く通う金持ち高。  一筋ならではいかないようだ。  あたしたちは門から離れ学校の塀を歩く。 「入れなかったらしょうがないよね」  あたしはからからと笑った。  実際ほっとしている。  金持ち相手に彼氏作りなんて、天地がひっくり返っても出来そうにないから。 「いや、入れる」  真奈が真剣な顔つきで塀を指さした。  まさか。 「忍び込めってか?!」  不法侵入?! あたしまだ犯罪者になりたくねえ!! 「あたしたちは無理だけど、あやめならいけるよね。運動神経の塊だもん」
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