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なんとか潜入出来たみたいだけど・・・
あたしはびしょ濡れになった自分の格好を見る。
これじゃ彼氏どころじゃねえな。
ふうっとため息をつく。
「着替え、あるよ」
「うぎゃあっ」
急に背後から声をかけられ、あたしは驚いて飛び上がった。
「ごめんね。驚かせた?」
あたしは声の主を振り返る。
天使!!
思わずそう思ってしまうほど可憐で可愛い少年が、あたしに微笑んでいた。
ここは天国か?
あたし池じゃなくて三途の川渡っちゃった?!
「くしゅんっ」
寒っ。
あたしはくしゃみをした後震える。
天国にしては寒いぞ。
「大変。風邪ひいちゃう。さ、早く」
「え? いや、あの」
あたしが質問をする間もなく、少年はあたしの手をつかんだ。
意外に力強い手で引っ張られ、あたしが立ち上がると、少年は駆け出した。
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