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しかし紗耶香はともかく、真奈は昔から言い出したら絶対に曲げない。
「・・・・わかった。こうなりゃ腹を括ってやる!」
あたしは携帯を出すと、メモリを呼び出し電話をかけた。
「見てろよッ!」
あたしは満足そうな二人に向かって言い捨てる。
「もしもし、武田? 話があるんだけど。いや、賭けの支払いの話じゃなくて。一回しか言わないからよく聞け。
お前、あたしと付き合え! 今すぐ!
ん? いやだから違って。罰ゲームとかじゃないから。いやだから―――切るなコラ―――ッ!!」
プープーと鳴る携帯を持ったままあたしが呆然としていると、真奈と紗耶香が爆笑。
「何? 武田、罰ゲームだと思ったの?」
涙目の紗耶香。
「・・・・・・」
ふん。笑わば笑え。
あたしの携帯メモリには意外に男が多いんだ。
なんせあたしは男扱いだからな。
・・・・ん? てことはこのメモリは役に立たないってことか?
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