第一章

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話を戻そう。 「なんだお前か」 「お前で悪かった」 特に恋愛傾向にあるわけではなく、会うとこんな感じの会話しかしない。 少し話をして、登校時間を同じくらいにすることにした。 話し相手がいることで、延々と続く坂道も少しは楽に感じるだろう。 そんな訳で、長ったらしい坂を登り終えた先に待っていた無駄に広い体育館で入学式が行われている間、私は新しい学舎での希望と不安に満ちた学園生活に思いをはせている新入生特有の顔付きとは関係無く、ただ暗い顔をしていた。 同じ中学から来ている奴がかなりの量だったし、うちの何人かは結構仲の良かった連中なので友人のあてに困ることはなかった。
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