第一章

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キョン。 私の幼なじみであり隣の家に住む男児である。 どこにでもいるような奴でちょっとイケメンボイスで何故か私はこいつの名前をド忘れしている。 いや覚えているがあだ名の方が強い印象を受けている。 あだ名と言うのは「キョン」という、確かキョンが言うには最初に言い出したのは叔母の一人だったように記憶している。 本人曰く何年か前に久し振りに会った時、「まぁキョンくん大きくなって」と勝手に名をもじって呼び、それを聞いたキョンの妹がすっかり面白がって「キョンくん」と言うようになったそうだ。 たまたま家に遊びに来たキョンの友達がそれを聞きつけ、その日からめでたくこいつのあだ名はキョンになった。 本人は妹に「お兄ちゃん」と言われなくなったのがちょっと悲しいらしい。
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