第1章 ゲリラ小隊結成

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「そう言ってくれると思った」 「で、何をするんだ?」 「それはね――特殊部隊0702ゲリラ小隊の結成!! だよ」 覇屡は元気よく椅子から立ち上がって言った。首に付けた先代の遺品のネックレスが、シャランと音を立てて揺れる。 「……はぁ?」 思わず間抜けな声がでてしまった。 「何だその0……って! ってか何で俺の名前が入ってるんだよ!」 覇屡はマイペースにも、ゲリラが抗議してくるのを軽く流し、備え付けのキッチンにいって紅茶を淹れて戻ってきた。 紅茶独特のいい香りが部屋に充満した。カップからは、白い湯気が出てゆらゆらと揺らめいている。 砂糖とミルクをいれて、スプーンをクルクルと回しながら覇屡は言った。 「いやぁ何かかっこよくない?」 ゲリラはその覇屡の言葉に半ば呆れた。 小隊――それは五人の精鋭達からなる部隊。先代の国王も小隊を保持していた。 しかしその小隊はあくまで先代のもの、つまり第20代目の小隊だったので、21代目国王の小隊を改めて作る必要があった。 覇屡はその小隊のメンバーの一人として、ゲリラを入れることにしたのだ。ゲリラにはもともと武道の心得もあるし、体力知力ともに申し分ない。 「……ダメ?」
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