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当の本人は、やや苦し紛れに言った。―――要するに特にこれといった考えなしに選んだと言うわけだ。
「お前だってまだまだ子どもじゃねぇか……」
ゲリラは覇屡のセリフに呆れながら彼女の前に出ると、変わりに話し出した。
「あー、そのなんだ。簡単に言うと、今新しく小隊を作る必要があって、んで覇屡がその候補を……適当に……選んで、お前たちはここにいる。だから、後はお前たちの意志の問題であってだな……」
適当に、という部分だけ小さな声で呟き、ゲリラはおおまかな経緯を説明した。
――――四人は黙っていた。
「……とりあえず仮入隊して嫌なら辞めるって手もありだ」
それでも手を挙げる者は中々いない。
確かにそんないきなりな話を聞かされたって、すぐに決断できるものはいないだろう。ゲリラはこれは駄目だな、と諦めかけた。
だが、しばらくしてずっと微動だにしなかったもっさもっさが口を開いた。
「……入ります」
予想外の人物だったので、ゲリラはしばしきょとんとしたが、すぐに気を取り直して言った。
「よし、こっちに来い」
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