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平和を維持しながら早一年。
少女とゲリラは覇屡城(ハトルジョウ)の王室で向かい合っていた。
「ゲリラ、……私決めたよ」
「あぁ、大丈夫だ。自信を持て。お前には充分その力量があるさ」
少女は決心した。明日は少女の14歳の誕生日。この日を境に、少女は正式に21代目国王となることを、民衆に宣言しようと考えていたのだ。
「名前も明日からは覇屡、だな」
覇屡という名は国名に由来しており、代々国王はこの名を語らなければならないしきたりがある。
だから少女の本当の名を知っているのは、ゲリラと残った家臣のみとなってしまった。
「ハル……か」
少女――――覇屡は天井を見上げ呟いた。
「これが国王になる第一歩の変化なのかな……」
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