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―――次の日。
天気は快晴。新王誕生にはうってつけの日となった。
覇屡は街中の大広場に、民衆やメディア達を集まらせていた。
人々がいっせいに集まる中、広場の中央、地面より高くなっている場所にマイクを握って登り、覇屡は彼らを見渡した。
彼らはしばらくしてからようやく鎮まり、まだ幼い少女は深呼吸をして話し始めた。
「皆さん聞いてください。先代が崩御されてから1年が経ち、これまで私は王族の者という身分で国を治めて来ました」
人々は黙って覇屡の話を聞く。
「けれど、今日からは……覇屡王国第21代目国王としてこの国を治めていきます!」
人々は沈黙した。――だが、やがてそれは歓喜に満ち溢れた声へと変わっていき、拍手が響き渡り覇屡を讃える声が飛び交った。
覇屡は目にうっすら涙を貯めながら言った。
「ありがとうございます……私が、この国を――覇屡を導いていきます!」
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