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覇屡が国王になって数日が経った。
国王となってからの覇屡は、
毎日仕事で忙しく、なかなかゲリラとゆっくり話せる時間も少なかった。
そんなある日の出来事。
覇屡は城内の空いている部屋に住んでいるゲリラを、久しぶりに訪ねた。
ゲリラの本来の家は、この城よりもう少し北にあるのだが、覇屡に何があってもすぐ駆けつけれるように、城に住む事にしたのだった。
覇屡はノックもなしにドアを開けた。
「ゲリラいる!?」
「……いるよ。だけどノックくらいちゃんとしろよ」
ゲリラはベッドの上に座りながら読んでいた本に、しおりを挟んで閉じた。
「ごめんごめん」
覇屡は頭をかいて、部屋の中央に置かれている椅子に座った。
ゲリラの部屋は綺麗に調えられていた。
ドアの入り口には、ゲリラのお気に入りの鈴蘭が飾られており、風水を考えて調度品が置かれているのが分かる。家具や窓も日頃から掃除を心掛けているおかげで、ピカピカに輝いている。
「久しぶりだね、こうやって話すの。で、いきなりなんだけど、ゲリラ私良いこと思いついたの。協力してくれる?」
覇屡が久々に会って、早速話しを進めているということは置いといて、何を頼もうとしているかは分からないが、ゲリラは覇屡が国王になった時一生仕えると誓ったのだ。今更断る理由などない。
ゲリラは首を縦に振った。
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