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「はい。その時はお願いします」
楓はええと笑った。
「暁君」
「!道久さん…」
刹那の父である道久は笑って言った。
「不安なんてないよ。君だからね。君以外の人では…君以上に刹那を幸せにすることなんて出来ない。二人とも、幸せに」
「「はい!!」」
暁と刹那は大きく頷いた。
「暁。刹那ちゃん」
「父さん、母さん」
母、夜由は少し涙ぐんでいた。
「母さん、何泣いてるんだ」
「だって…嬉しいんだもの…。ありがとうね、刹那ちゃん。暁を選んでくれて」
「いえ。ありがとうは私の方です。お義父さん。お義母さん。暁と出会わせてくださって、ありがとうございます」
ふんわりと笑う刹那を夜由は強く抱きしめた。
「暁」
「父さん…」
「大切なことはお前をここまで育てる過程で教えてきたつもりだ。だから、ここで長々と言うつもりはない。ただ…」
父、朝緋はドンッと握った拳で暁の胸を叩いた。
「最期の時まで守り抜け。そして…幸せにしろ」
「ああ。分かってる」
暁は離れた父の拳に自分の拳をぶつけた。
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