16/22
前へ
/891ページ
次へ
「愛希。俺将来安定しない仕事に就くつもりでいる」 「知ってる。歌手でしょ」 「お見通しか」 蓮はポリポリと頭を掻きながら苦笑する。 「私は美容師になるつもり。美容師は働きながら勉強も出来るから。結婚は早めでもいいわよ」 蓮は黙ったまま愛希の手を握った。 「俺、頼りになる彼女もてて良かった」 「あんたも早く、頼りになる男になってよね」 「うん。絶対なる」 二人は小さく笑い合った。 三人の様子を見ていた麗獅が口を開く。 「僕たちは親同士の承諾もありますし、同棲もしてますからほとんど結婚してるようなものなんですよね」 「でもやっぱり結婚式は憧れます!ウェディングドレスは女性の夢ですから」 嬉しそうに笑う沙羅の頭を麗獅が優しく撫でた。 「君が望むなら最高の結婚式にしてみせますよ」 「私は…今日の二人みたいな皆も自分達も幸せな結婚式がいいです!」 無邪気な恋人の笑顔に麗獅は押し黙った。
/891ページ

最初のコメントを投稿しよう!

612人が本棚に入れています
本棚に追加