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「わ!おい、蓮」
暁は抱きついてきた蓮の頭を軽く小突く。
「暁…暁…っ」
蓮の声が震えているのが分かった。
そんな親友の様子に暁はため息をつく。
「何で泣くんだ」
「嬉し泣き…。ずっと…ずっと願ってたことだからさ…。暁と刹那が一緒に笑い合って、幸せになること」
蓮は、刹那が二回目に暁との記憶を無くしてしまった時一番感情を露わにして二人の幸せを願った人物だ。
二人の幸せは、蓮にとって、嬉しい限りだろう。
「暁…。俺と出会ってくれてありがとう…。暁のおかげで俺…愛希とまた一緒にいられるようになった。俺に勇気をくれたのも暁だ。暁が居なかったら…俺は幸せになれなかった。暁が、俺の人生を変えてくれたんだよ。ありがとう…っ暁!!」
蓮は、泣きながら、笑った。
「俺の方こそ、出会ってくれて、ありがとう。蓮」
二人は笑った。
「暁」
砕が暁の名前を呼んだ。
暁が顔を向ければ、砕は、まず笑った。
「おめでとう。暁」
「ありがとう。砕」
「…正直これ以上何言えばいいかとか全然分かんない」
「それを俺に言ってどうする…」
呆れる暁に、砕はでも…と言葉を続ける。
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