デア イ

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『なかなか死ねないな』 手首から滴る真っ赤な血。 切っても切っても傷はなおり、痕だけを残す。 『鬼なのにな』 つぶやいた言葉が自嘲気味で、笑えた。 空を見上げると、 思い出がどんどんと飛び出てくる。 『あぁ、そうか。』 血塗られた過去よ 今一つになろう。 あたしの足はあそこへと向かう。
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