一日目 午後14時29分

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「こちらトオル。人影はなし。引き続き張り込みを継続する」 メグミは壁に書かれた文章を細かく撮影記録している。 この画像を事務所で分析し、犯人の特定を行う。 不特定多数の字体から判断すれば、必ず一致するものが出てくる。 もし白壁のセラピストが存在するならば、この方法で見つけられるはずだ。 「撮影終了。早速分析にかかるけど、トオルは張り込み続ける?」 メグミがトイレから出てきた。まるでトオルと会話していないような自然な装いだ。 「事務所には先に帰って作業を始めてくれ。俺は壁を白に戻す」 「文字を消すのね」 「記録は終えた。なら、新しい手がかりを得るためにも必要だ」 トオルは、白のカラースプレーをポケットから出した。 「1時間後事務所で」 「了解」
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