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ここが現場の公園だか、衛生局が管理している場所というだけあってゴミひとつ落ちていない。
かなり優秀な清掃員を雇っているそうだ。
「しかし、本当に落書きがあるのかしら。この町で、最も恐れられる衛生局の公園よ。よほどの馬鹿じゃないと犯行には及ばないわよ」
「それを調べるのが仕事だ。それに、もし衛生局に落書きできるような勇者がいるなら会ってみたいだろ」
「気にはなるけど、関わりたくないわ」
メグミは興味がないようだ。今回の依頼も反対していたのだか、衛生局の黒い噂には好奇心を持っていた。
「着いたよ。ここが問題のトイレね」
白い壁で小柄な建物。一般的な作りのトイレだ。ただ他と違いがあるとすれば、男女共用である事だ。
「まずは被害状況の確認から始める」
メグミは一番乗りでトイレの中へ入っていった。興味がないといっても依頼を受けた以上きっちり仕事はこなす。彼女の守り続けるポリシーだ。
「では、俺は外壁の調査をするよ」
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