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…視界が赤く染まっていく。
染めているのは夕陽の光…だけではない。
私の頭から流れ出る…赤い液体。
それが私の顔を染めているのだ。
…体は動かない。
落ちた時に骨が何本か折れたせいだろう。
…まぁどうせ助からない。
あの衝撃なら即死も有り得たんだ。
それでまだ思考が働くのは奇跡だろう…
あまりに報われない奇跡だけど…
感覚はなく、夢の中にいるようだ。
でもこれは夢じゃなく、現実だけど…
…何で私は死にかけているの?
自分で自分に問う。
真っ先に頭に浮かんだのは…あの女子ども…
あいつらめ…何が「見下している」だ…!
見下すどころか眼中にもなかったのに!
それでどうやって見下すのよ!
そう思って「何言ってんだが」って言っただけなのにキレたりして…
私に掴みかかって、ベランダまで引っ張り出して…
私の高校のベランダは驚くほど低く、膝の高さまでしかない。
これじゃあ、いつか誰か落ちるんじゃないって思っていたけど…
それが…私になるなんて…
女子どもが私に群がって来て、耐えきれずに…そのまま…
アイツら!ちょっと考えれば落ちるって分かるはずなのに、それをバカみたいに押して…!
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